壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)
過酷すぎる時代に高い志と覚悟を持ち続ける吉村父子の生き様は、生半可な覚悟しか持ち合わせていない私の心に深々と突き刺さります。
大義とは人の道であり、間違いだらけの世の中に向かって、いつもきっかりと正眼に構え、その構えだけが正しいと信じていた吉村貫一郎。男たるものの価値とは、ひとえに、その者の内なる勇気と怯懦とにかかっているという表現が心に響きます。
人は強大なものや権力に相対したとき、怯懦に傾くものです。耐え難きを耐え、戦う時が来たときに果敢に立ち向かったときこそ、男たるものの価値が発揮されるのだと考えます。
読了日:2017年9月30日 著者:浅田次郎
我らが隣人の犯罪 (文春文庫)
読了日:2017年7月20日 著者:宮部みゆき
魔術はささやく (新潮文庫)
本物語では様々な人物の苦しみが表現されています。公金を横領した父親の蒸発により心に深い傷を負った守。守の父親をひき殺しながら生涯隠ぺいし続ける決意をした吉武浩一。
とりわけ、この二人の苦悩は計り知れません。菅野洋子の交通事故死というプロセスを経て真実を知ってしまった守。老人の計らいにより、裁きの権限が守に与えられます。
しかし、守は吉武を捌くまでは至りませんでした。顕在意識では許せずとも、潜在意識の中においては、自身と母親が愛されていたことに気付き、その結果、吉武を理解し、哀れむことができたのだと思います。
読了日:2017年6月20日 著者:宮部みゆき
スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
読了日:2017年5月30日 著者:岸見 一郎,古賀 史健
プラチナデータ (幻冬舎文庫)
読了日:2017年5月15日 著者:東野圭吾
じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)
読了日:2017年4月24日 著者:鷲田 清一
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
本書を読んでいる最中、突如、私は過去に箱から出て問題解決を実現していたことを自覚しました。
8年ほど前、私は前職の同僚に対し箱に入っていました。同僚は職場の全員に対し自己主張を無理強いする我儘な人間だと思っていました。しかし、あるとき同僚のことをよく考えてみたのです。
すると、主張の仕方に難はあるものの言っていることは、業務の改善策や職場空間を清潔に保つための改善策など会社全体のことを考えた全うな主張でした。
同僚の適切な面に目を向けたことで、私は同僚を人として見ることができ、関係修復を図れていたのです。
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
- 作者: アービンジャー・インスティチュート
- 出版社/メーカー: きずな出版
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了日:2017年3月26日 著者:アービンジャー・インスティチュート
2日で人生が変わる「箱」の法則
前作で気に掛かったのは、相手が箱の中に居続ける場合の平和な心の維持の仕方です。
今作では、澄んだ平和な心を取り戻し、かつ、それを維持し続ける手法として、最もよい影響を与えてくれている人達のことなどを意識して考えることの重要性などが説かれています。
確かに平和な心を維持するために有効な考え方だと思います。得てして人は99の良いことより、1つの悪いことに心を奪われがちです。
そうならないためにも、相手の適切な行動に目を向けることで、人として見ることができ、心の平和を維持することに繋がっていくのだと考えます。
- 作者: アービンジャー・インスティチュート,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了日:2017年3月17日 著者:アービンジャー・インスティチュート
自分の小さな「箱」から脱出する方法
人は自分の感情に背いたときから自分への裏切りが始まり箱の中に入ってしまいます。すると、正当化してくれる根拠になりそうな物の価値を過大に評価し箱の中に留まります。まさしく、私も同様の問題を抱えています。
この問題は対人関係において発生します。箱の外に出るには、相手も自分と同じ希望 やニーズ、心配、恐れがあることを切に感じ取ることが重要です。
しかし、相手が箱の中にいると、この気持ちを持ち続けるのは難しいと感じます。組織に所属する人間であれば、組織改善のためなど確固たる志を持って対峙していく必要があると考えます。
- 作者: アービンジャーインスティチュート,金森重樹,冨永星
- 出版社/メーカー: 大和書房
- 発売日: 2006/10/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了日:2017年3月2日 著者:アービンジャーインスティチュート
鳥人計画 (角川文庫)
本書における真犯人がまさかの楡井の彼女であった点には驚きました。しかしながら、序盤の彼女の心理描写を踏まえて犯人だと特定することはできず、若干、無理があると感じました。
振り返ってみて、伏線と思しきものが幾つか提起されてはいますが分かりにくかったです。
ただし、峰岸に手紙を書いた人物は一体誰なのか、また、警察への密告者は同一人物なのか、さらに、峰岸が楡井に殺意を抱いた動機は何だったのか等を考え込ませる点は、氏ならではの臨場感が演出され、惹きつけれられる部分でした。
総じて、楽しませてくれる作品ではあります。
読了日:2017年2月17日 著者:東野圭吾
魔球 (講談社文庫)
刺殺事件における「魔球」という謎のメッセージや、謎解きの真相に斬りこんでいく刑事の描写などを見るにつけ、次第に強烈に惹き込まれていく自分がいました。
須田武志の生き様は強烈です。母親になんとしても恩を返すという信念、恩を返す手段として野球に全てを賭ける姿は執念を感じます。
私は、真の男とは如何に我慢がきくかということを常々思っているため、須田武志の生き様に共感します。
罪の是非は別として、命を賭けて守ろうとした人がいたと語られた手記は、残された者の心に刻まれた紛れのない真実だと思います。
読了日:2017年2月4日 著者:東野圭吾