カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
本書の見せ場とクライマックスは、ヤミ金組織から大金を痛快に巻き上げる点にあるものとばかり思っていたところ、全くの見当違いでした。
残り数十頁に入ってから、テツさんが一世一代を掛けたアルバトロス作戦の真相が開示されていく様は本当に圧巻であり、えっ?えーっ!!といった感じでした。
"詐欺"と"マジック"の違いを認識した瞬間、してやられた感を覚える一方で、見事なまでに騙されたことに対する心地よさを覚えます。
まさに、著者が仕掛けた"理想的なマジック"であり、著者の力量を感じる作品です。
カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)
- 作者: 道尾秀介
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/07/15
- メディア: 文庫
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読了日:2017年11月17日 著者:道尾 秀介
月と蟹 (文春文庫)
本書は、慎一と春也と鳴海の3人のこども達の世界を描いた物語です。読みながら、私自身の小学生の頃の友人達(後に親友)と過ごした日々の記憶が呼び覚まされました。
当時、はっきり認識できていなかったものの、いま思えばこの時期に、心の痛みや切なさ、歯痒さや絶望、はたまた、思いやりや友情といったものを感じ、学んでいたということを認識しました。
本書では、多感な時期のこどもだからこそ感じる特有の危うさや一途さ、そして、残酷さといったものが、独特に描かれており、その点において、惹きけられるものや共感できる部分がありました。
読了日:2017年11月3日 著者:道尾秀介
壬生義士伝 下 (文春文庫 あ 39-3)
十数年ぶりの再読です。今回は息子の嘉一朗が本当に不憫に感じてなりませんでした。
貫一郎が犯した脱藩の罪をおのが罪として生き、その罪を償う事だけを考え続け、義のため戦場へと馳せ参じます。しかし、嘉一朗が今まさに果てんとする瞬間の回想シーンで戦場に向かった真の理由が明らかになります。
戦場にいるのは何の理屈でもない、大好きだった貫一郎をひとりぼっちで三途の川を渡すわけには行かない、ともに渡りたい、それが本懐であったという点です。
嘉一朗もまた誰よりもやさしくて強いという男の値打ちを持った武士だったと感じた次第です。
読了日:2017年10月19日 著者:浅田次郎
壬生義士伝 上 (文春文庫 あ 39-2)
過酷すぎる時代に高い志と覚悟を持ち続ける吉村父子の生き様は、生半可な覚悟しか持ち合わせていない私の心に深々と突き刺さります。
大義とは人の道であり、間違いだらけの世の中に向かって、いつもきっかりと正眼に構え、その構えだけが正しいと信じていた吉村貫一郎。男たるものの価値とは、ひとえに、その者の内なる勇気と怯懦とにかかっているという表現が心に響きます。
人は強大なものや権力に相対したとき、怯懦に傾くものです。耐え難きを耐え、戦う時が来たときに果敢に立ち向かったときこそ、男たるものの価値が発揮されるのだと考えます。
読了日:2017年9月30日 著者:浅田次郎
我らが隣人の犯罪 (文春文庫)
読了日:2017年7月20日 著者:宮部みゆき
魔術はささやく (新潮文庫)
本物語では様々な人物の苦しみが表現されています。公金を横領した父親の蒸発により心に深い傷を負った守。守の父親をひき殺しながら生涯隠ぺいし続ける決意をした吉武浩一。
とりわけ、この二人の苦悩は計り知れません。菅野洋子の交通事故死というプロセスを経て真実を知ってしまった守。老人の計らいにより、裁きの権限が守に与えられます。
しかし、守は吉武を捌くまでは至りませんでした。顕在意識では許せずとも、潜在意識の中においては、自身と母親が愛されていたことに気付き、その結果、吉武を理解し、哀れむことができたのだと思います。
読了日:2017年6月20日 著者:宮部みゆき
スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)
幸せになる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教えII
読了日:2017年5月30日 著者:岸見 一郎,古賀 史健
プラチナデータ (幻冬舎文庫)
読了日:2017年5月15日 著者:東野圭吾
じぶん・この不思議な存在 (講談社現代新書)
読了日:2017年4月24日 著者:鷲田 清一
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
本書を読んでいる最中、突如、私は過去に箱から出て問題解決を実現していたことを自覚しました。
8年ほど前、私は前職の同僚に対し箱に入っていました。同僚は職場の全員に対し自己主張を無理強いする我儘な人間だと思っていました。しかし、あるとき同僚のことをよく考えてみたのです。
すると、主張の仕方に難はあるものの言っていることは、業務の改善策や職場空間を清潔に保つための改善策など会社全体のことを考えた全うな主張でした。
同僚の適切な面に目を向けたことで、私は同僚を人として見ることができ、関係修復を図れていたのです。
日常の小さなイライラから解放される「箱」の法則―感情に振りまわされない人生を選択する
- 作者: アービンジャー・インスティチュート
- 出版社/メーカー: きずな出版
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了日:2017年3月26日 著者:アービンジャー・インスティチュート
2日で人生が変わる「箱」の法則
前作で気に掛かったのは、相手が箱の中に居続ける場合の平和な心の維持の仕方です。
今作では、澄んだ平和な心を取り戻し、かつ、それを維持し続ける手法として、最もよい影響を与えてくれている人達のことなどを意識して考えることの重要性などが説かれています。
確かに平和な心を維持するために有効な考え方だと思います。得てして人は99の良いことより、1つの悪いことに心を奪われがちです。
そうならないためにも、相手の適切な行動に目を向けることで、人として見ることができ、心の平和を維持することに繋がっていくのだと考えます。
- 作者: アービンジャー・インスティチュート,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2007/09/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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読了日:2017年3月17日 著者:アービンジャー・インスティチュート