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danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

8月の読書

2014年8月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1917ページ
ナイス数:112ナイス

幽霊人命救助隊 (文春文庫)幽霊人命救助隊 (文春文庫)感想
様々な自殺願望を持つ人達の心情が吐露されているため、非常に重たいテーマですが、自殺願望者を救助すべく四人の同士のやりとりが、とてもコミカルなため、重いテーマにも関わらず、笑いや感動、はたまた怒りや共感など、様々な思いを感じとることができた作品でした。個人的には、指揮者の少年の話がよかったです。八木が発した言葉「人生の重要な格言を教えてやろう」、「右の頬を打たれたら倍にして返せ」から始まり、勇気を振り絞った少年の叫びと一連の行動には、私自身、思いのほか心が熱くなり、興奮し、思わず肩入れしてしまいました。

読了日:8月31日 著者:高野和明


K・Nの悲劇 (講談社文庫)K・Nの悲劇 (講談社文庫)感想
妻が流産したことがある私にとっては、中絶などという概念は毛頭なく、修平が子どもを生むと決意するまでは、読んでいて気が気でなかったです。また、本書で興味深かったのは、果波に起こる不可解な現象が、精神の病によるものなのか、それとも、超常現象によるものなのか、についてです。この点について、単に超常現象によるものとしてストーリーが完結してしまうのではなく、不可解な現象が、医学的な見地からも明確に推論されていく展開には説得力があり、本当によく調べられているなと感じました。「13階段」に引続き、大満足の一冊でした。
読了日:8月24日 著者:高野和明


グレイヴディッガー (講談社文庫)グレイヴディッガー (講談社文庫)感想
「13階段」と比較すると全体的に”粗い”といった印象があり、展開も少し分りづらいように感じました。本作は、事件発生から十数時間後には全ての全容が解明される構成だった為、そのように感じたのかも知れません。第二部の『墓堀人』の章の取調べにおいて、野崎がどうやら無実の罪であると判明してから、俄然、展開の複雑さに引込まれていきました。しかしながら、『グレイヴディッガー』である峰岸本人による心情描写が無かった点は物足りず、また、堂本が急性心不全で亡くなってしまったのは、結末として、今ひとつな感じが拭えませんでした。
読了日:8月10日 著者:高野和明


13階段 (講談社文庫)13階段 (講談社文庫)感想
正に『渾身の一作』ですね。展開が二転三転を通り越し、四転五転していくといった感じですが、描写が丁寧に表現されているため、混乱することなくついていくことができます。また引込も凄かったです。ほどなく犯人像や顛末が見えてきたと思いきや、あっさり読みが外され、新たな視点・観点から一気・怒涛の勢いで結末に向かっていく様は圧巻でした。ただ、『終章』の締めで南郷が吐露した言葉「俺もお前も終身刑だ」、「仮釈放はなしだ」で終わってしまったのは、少しあっさりしすぎているのではとの感もありました。それでも、大満足の一作でした。
読了日:8月3日 著者:高野和明

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