danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

金融探偵

シリアスさや、個々の登場人物の心情の奥深くまで踏み込んだ描写はそれほど無いものの、主人公が本職ではない探偵業の中で、思考錯誤しながら問題を解決していく様は興味を引き、軽快でさらっと読め、ただ単純に楽しく読むことができました。これまでの池井戸作品というと、銀行ものであれば、主人公が組織に属し、苦悩や軋轢などが絡み合う重い内容のもので占められていますが、今回は銀行を退職した若者が就活中に持ち込まれた相談毎に興味を持って解決していくという構図であり、読む側の気持ちも軽く、新鮮さを感じることができた作品でした。

 

金融探偵 (徳間文庫)

金融探偵 (徳間文庫)

 

 読了日:2014年7月12日 著者:池井戸潤