影踏み
本書は横山さんの作品にしては物語の展開や構成が粗い印象を受けました。
しかし、ノビカベのように、無口で常に研ぎ澄まされ、哀愁を帯びたキャラクター設定は個人的にかなり好みでした。
このノビカベですが、冷酷無比なだけでなく、『使徒』では盗人仲間の依頼を受けて、不遇な少女に盗み以外で得たお金でクリスマスプレゼントを買って届けにいったりと、義理固い面も持ち合わせており、そこがさらに魅力的に感じました。
本書はこれで完結だと思われますが、横山さんには、是非、別の作品でノビカベのようなキャラクターを作り上げて欲しいです。
読了日:2014年11月23日 著者:横山秀夫
ノビカベのような武骨な男の物語を読んでいたら、辛口のお酒でも飲んで、"真の男"について考えてみたくなってきました。
今夜は、"マティーニ"を飲みたいと思います。
このマティーニは、ドライ・ジンにドライ・ベルモットを加えて、オリーブを添えただけのシンプルなカクテルですが、オリーブの酸味と辛口な味が調和し、深い味わいを感じることができるカクテルです。