本作では、まさかの恋心から竜崎の判断が鈍り、あわや大失態を犯すのではと随分と冷や冷やさせられました。
なお、この恋心に捉われる様が後半まで続いたのは少々引っ張りすぎではと感じました。そのため、"婆子焼庵"のくだりからテロリストの逮捕まで、一気にまとまりよく片付けられてしまったなという印象を受けました。
しかし、権謀術数の類を嫌い、今回も正攻法で乗り切った竜崎の一連の対応には、やはり好感が持てます。
もう少しシリアスさやミステリー要素が含まれればとも思いますが、この点については、次回作以降に期待したいと思います。
読了日:2015年3月28日 著者:今野敏