danyromero’s diary

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初陣―隠蔽捜査〈3.5〉

本作品の主人公は竜崎の同期である伊丹でしたが、なかなかに面白い作品でした。

伊丹には竜崎のような原理原則を貫ける図太い感性は持ち合わせていません。

弱さとコンプレックスの狭間で自分なりの処世術を身に付け、キャリアとして懸命に生き抜こうとする姿には痛々しさすら感じます。

その心情描写と悩み苦しんでいる様にハラハラドキドキさせられ、つい伊丹に肩入れしながらあっという間に読み終えてしまいました。

本書を読んでみて、伊丹が竜崎に対して全幅の信頼と尊敬の念すら抱いているということがよく分かり、微笑ましい気持ちになりました。  

初陣―隠蔽捜査〈3.5〉 (新潮文庫)

初陣―隠蔽捜査〈3.5〉 (新潮文庫)

 

読了日:2015年4月5日 著者:今野敏

 

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