本作品は『誰か』、『名もなき毒』に続くシリーズ3作目になりますが、事件に関する謎や推理の部分において、最も楽しませてくれた作品でした。
ただ、読んでいて面白いのですが、事件の謎が終息していく様はそれほどインパクトが無く、想定の域を超える程では無かったというのが正直な感想です。
またシリーズを通じて、杉村夫婦の芝居がかった子供じみたやりとりも馴染めませんでした。
最後は残念な結末となりましたが、これで杉村三郎のあるべき姿や進むべき方向性は明確になってきたのではないでしょうか。
腹を括った男の生き様が見てみたいです。
読了日:2015年6月6日 著者:宮部みゆき