カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)
この物語で興味深かったキャラクターは整体師である力先生です。
その力先生が言った「物事は一面だけではない。わたしたちは多面角を転がしながら生きている。その中のどの面を選ぶのかは、その人の自由だ」という言葉は印象的でした。
兎角、人は一面による視点だけに支配されがちです。追い込まれれば、追い込まれるほど、視野が狭くなります。追い込まれたときこそ、人は胆力が試されるのだと思います。
物事には多面角があることを認識し、それを見極め、それを適切に選べば、物事は違った方向に進んでいけることを痛感させられる一言でした。
読了日:2015年10月11日 著者:近藤史恵