本書で最も印象的だった作品は第一話の『たったひとつの後悔』です。
話の内容云々よりも、その落とし方が興味深かったです。
上司の木村に対して発した一言(「木村さんのようになりたい」)は確かに伏線になっており、最後、そこへと繋げていった一種独特な落とし方は、私が好きな作家の一人である横山秀夫さんの落とし方に似ていると感じました。
第三話における赤坂老人の強請は残念な行為でした。
前作では、「義」を重んじての子どもの誘拐だっただけに、本作でも、前作に準じた行動が見られると思っていたため、少し残念な気がしました。
読了日:2015年12月1日 著者:近藤史恵