薔薇を拒む (講談社文庫)
本書は結末に至るまでの過程が凄く楽しめた作品でした。
孤児であり、過去に傷を持つ二人の少年(鈴木博人と樋野薫)が人里離れた山奥で、屋敷の使用人として生活する設定は非現実的な世界であり、その静けさや、異質な空間が想像できるところに興味を掻き立てられました。
殺人犯が誰であるのかは、最後まで見えてきませんでした。
確かに、田中(島田康介)の振舞いに怪しさはありましたが、整形という手段を使われてしまうと、殺人犯だと推察するのは難しかったです。
それでも、結末に至るまでのスリリングな展開は十分に堪能することができました。
読了日:2015年12月4日 著者:近藤史恵