第1章では、不平不満を平気で言動に出す平社員がいたり、或いは、特許を取得するのは我々だと平然と言い放つクライアントがいたりと、実社会でこんな事柄は滅多にお目にかかれないだろうと思わず突っ込みたくなりました。
ところが、第2章以降、そんな突っ込み所の事はすっかり忘れてしまう程、感情が佃社長、一村教授、桜田社長に移入してしまいました。
PDMA面談では一緒に悔しさを味わったり、また、生命を繋ぐことの尊さを目の当たりにして人工弁を作る意義を明確に感じとったシーンにはグッとくるものがあり、強い情熱を感じる作品でした。
読了日:2016年1月31日 著者:池井戸潤