三人の悪党―きんぴか〈1〉 (光文社文庫)
約20年振りの再読です。今でこそ、平成の泣かせ屋の異名をとる浅田氏ですが、当時はそんな異名もなく、『地下鉄に乗って』も『鉄道屋』も『壬生義士伝』もまだ生まれていません。
しかし、浅田氏には当時から抜きん出ているものがありました。それは、どの作家さんよりも人一倍笑わせてくれる所です。
本書に登場する悪漢3人組は非常にキャラが立っており、それぞれが持ち合わせている妙な義理堅さや生真面目さ、破天荒さが一一笑わせてくれます。
直木賞受賞以降の作品しか知らない人達に是非、もう一つの浅田氏の凄さを知ってもらいたいです。
読了日:2016年4月1日 著者:浅田次郎