前作でタイムスリップものの良作を読んでいたことから、それほど期待を持たずに本書を読み始めました。
ところが、花やしきのシーンから始まる怒涛の疾走感などから、非常に読ませる作品であると感じました。
何を仕出かすか分からない拓実の言動には、未来を変えてしまいかねない危うさがあり、その未来から来た息子の時生が必死に立ち回る様を見るにつけ、ヤキモキさせられます。
東条須美子との和解や、時生が去ってゆく場面など泣かせるシーンがありました。しかし、最後の「トキオっ、花やしきで待ってるぞ」の言葉は、とりわけ胸に響きました。
読了日:2016年4月17日 著者:東野圭吾