本書は性同一性障害やジェンダー、半陰陽といったある種タブー視されている部分にスポットがあてられ、そこに生きる者達の苦悩を片思いという言葉で見事に表現した物語です。
性同一性障害者に限らず、人は瞬間的に気持ちが男よりになったり、女よりになったりということが往々にしてあり、この問題がまるっきりの他人事ではないということに気付かされます。
社会に目を向けてみれば、例えば、同性結婚問題などがあります。同性結婚と聞いただけで、私はある種の嫌悪感を持っていましたが、これまでとは違った視点で考えていくことができそうです。
読了日:2017年4月11日 著者:東野圭吾