danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

妻子を殺められた織口が殺害者の真の姿を暴き、裁きを下さんと銃口を向けたとき「撃て」「殺れ」と強く念じている私がいました。

状況説明も兼ねた範子の心理描写が迫りくるような臨場感に溢れており、そのため、こうした心境になったわけです。また、今まさに銃を打ち放とうとしたその刹那、「おじさん!」と少年の声が掛かったシーンには心底驚かされました。

前段で声を発せない少年、織口に助けられた少年、確かに登場していました。この少年が本物語の最大の見せ場で再登場し、声を発するとは想定外であり、宮部さんの展開力に感服した次第です。 

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

スナーク狩り (光文社文庫プレミアム)

 

読了日:2017年6月9日 著者:宮部みゆき

 

にほんブログ村 小説ブログ 長編小説へにほんブログ村 酒ブログ 酒のウンチクへ