本書では殺人犯が浩美と和明の複数犯であるということを早々に開示しますが、そんなことはさほど重要ではなく、そこに至るまでのプロセスをそれぞれの人物の心理描写を克明に描きながら興味深く開示していきます。
冒頭で登場した塚田真一は下巻でどんな役割を担うのか、ピースとは一体何者なのか?そして、本名をあえて明かさない意図は何なのか?和明の冤罪は晴れるのか?
宮部みゆきさんの作風は真面目で少しひねくれた部分も見せたりしますが、結末は至極常識的なものが多く、悪名高き本書?で、一体どんな落とし込みが待っているのか楽しみです。
読了日:2017年9月1日 著者:宮部みゆき