danyromero’s diary

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カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

本書の見せ場とクライマックスは、ヤミ金組織から大金を痛快に巻き上げる点にあるものとばかり思っていたところ、全くの見当違いでした。

残り数十頁に入ってから、テツさんが一世一代を掛けたアルバトロス作戦の真相が開示されていく様は本当に圧巻であり、えっ?えーっ!!といった感じでした。

"詐欺"と"マジック"の違いを認識した瞬間、してやられた感を覚える一方で、見事なまでに騙されたことに対する心地よさを覚えます。

まさに、著者が仕掛けた"理想的なマジック"であり、著者の力量を感じる作品です。

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

 

読了日:2017年11月17日 著者:道尾 秀介

 

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