danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

銀行仕置人

主人公の黒部は、過去の池井戸作品の銀行ものの主人公である半沢、伊木、指宿等に負けず劣らず、正義感が強く、飾らず、己を貫く男であり、そのような男が大好きな私は本作品でも感情移入されました。最終話の"断罪"での立花に懐柔されそうなシーンにおいて、『銀行を腐らせるな。』の一念により引導を渡すシーンは颯爽としており、狼狽える立花への最後の一言『確かに私は銀行員だ。だが、銀行員である前に一人の人間だ。銀行員であることより、重要なことがある。』は痛烈であり、有無を言わさぬ迫力でした。この一言に返す言葉等ないでしょう。

 

銀行仕置人 (双葉文庫)

銀行仕置人 (双葉文庫)

 

 読了日:2014年7月19日 著者:池井戸潤