終わらざる夏 下 (集英社文庫)
異動で通勤時間がめっきり減り読了まで3ヶ月、さらに、そこから2ヶ月経っているため、うろ覚えでのレビューとなります。
偶然出くわしたやくざ者と子ども達、そのやくざ者の子ども達に対する接し方、話し掛けに心が温まりました。浅田氏が描かくやくざ者はいつだって義理人情に熱い好漢揃いであり心が洗われます。
討死した鬼熊、非業の死を遂げた片岡、そして、よもやのシベリア抑留となった菊池、何れも想定外の行く末でした…
かつての氏の作品(『壬生義士伝』、『地下鉄に乗って』、『きんぴか』、『天切り松闇語り』など)では多くの共感を得てきました。しかしながら、ここ十年くらいの氏の作品の落し方には今一つ消化しきれないものを感じています…
読了日:2019年6月30日 著者:浅田次郎