danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2015-10-01から1ヶ月間の記事一覧

茨姫はたたかう

本書でも力先生の問いかけが心に響きました。 「臆病なこと自体は悪いことではない。そのお蔭で今までそれほど傷つかずにすんだだろう」と。臆病から良いものが生まれることはありません。己を守り、己自身をより良い方向へ導いていくのは勇気でしかありませ…

ノマドワーカーという生き方

サラリーマンであれば、ほとんどの人がノマドワーカーという生き方に一度は憧れると思います。 しかし、憧れはするもののその生き方を実践できる人はほんの僅かだと思います。 では、立花さんはなぜその生き方を実現するこができたのか。 それは「ノマドワー…

カナリヤは眠れない (ノン・ポシェット)

この物語で興味深かったキャラクターは整体師である力先生です。 その力先生が言った「物事は一面だけではない。わたしたちは多面角を転がしながら生きている。その中のどの面を選ぶのかは、その人の自由だ」という言葉は印象的でした。 兎角、人は一面によ…

さいごの毛布 (単行本)

本書は犬の習性を通じて新たな視点が投げかけられる非常に興味深い作品でした。 『犬は昨日を愛する生き物であり、捨てられても飼い主を忘れない』つくづく考えてみると、まさにその通りだと思います。 麻耶子の息子である辰司は、形の上では母親に見捨てら…

はぶらし

これほどまでに、じれったくて、歯がゆくて、なんとも言えず、早く読み進めてすっきりしたいと思ってしまう作品は初めてでした。 居候状態となった水絵には過去に盗みの常習などがあったことから、水絵には居候以外の目的もあるのか、そして、鈴音の好意に付…