danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

看守眼

本書では表題の『看守眼』が心に残りました。 29年の歳月を留置管理係として過ごしてきた近藤の内に秘めた情熱、経験で培った確かな観察眼、その観察眼をもって、人を殺めた人間とそうでない人間との違いを見極めるシーンは、理屈では測れない説得力と迫力を…

ルパンの消息

本書は『64』を読了後すぐに読み始めた為、当初は爽快感だけを感じていましたが、心を闇に閉ざした人々の気持ちが開示されていく様を読むにつれ、心理の奥底までもが表現された凄い作品だと感じました。 本書のクライマックスは内海の逮捕ではなく、幸子の心…

64(ロクヨン)

本書で気になった点は幾つかあります。 近くの親類宅までの間に少女がどのように誘拐されたのか?誘拐犯との接点や関連性が希薄すぎないか?誘拐犯が半分食べてしまった手紙には本当のところ何が書かれていたのか? それにも拘わらず、濃密な充足感を感じま…