danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

嘘をもうひとつだけ (講談社文庫)

本書は加賀恭一郎シリーズ初の短編集でした。短編集がゆえに要点が絞られており、加賀の敏腕ぶりがより際立っています。本書で最も印象的だった作品は『友の助言』です。 睡眠薬を仕込んだ犯人が誰であるかが開示されるだけに留まらず、犯人特定の一条件とし…

私が彼を殺した (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズは、毎回、物語のパターンや趣向に工夫が成されており、このシリーズに対する作者の意気込みやチャレンジ精神がよく伝わってきます。 今回は、三人の容疑者による一人称一視点により物語が進行していきます。できる限り隈なく読み進めてみ…

悪意 (講談社文庫)

これまでのシリーズは、誰が犯人であるのかを推察・特定することに主眼がおかれていました。ところが、本書では序盤で早くも犯人が特定されます。 本書の主たるポイントは犯人探しではなく、稀に見る動機探しとなっており、これまでにない趣向が凝らされてい…