danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2016-10-01から1ヶ月間の記事一覧

容疑者Xの献身 (文春文庫)

思い込みによる盲点をついた石神のトリックに心底、唸らされました。事前に「幾何の問題に見せかけて、じつは関数の問題である」と語っており、ヒントが開示されていますが、想像外、見事な落し込みというしかありません。 靖子と深い関りもない石神がそこま…

むかし僕が死んだ家 (講談社文庫)

山奥にひっそり建てられた謎の異国調の家において、一冊の少年の日記が発見されます。 日記に描かれている事柄は、その家に残されていた遺品から二十年以上も前に起きた出来事であったと想像されます。ところが、電気も通っていないその家で、日記に描かれた…

探偵ガリレオ (文春文庫)

加賀恭一郎シリーズを読破し、満を持してガリレオシリーズに突入しました。 シリーズ第一作目である本書では、読む者を唸らせるようなインパクトのある作品はありませんでした。 しかしながら、本書に収録されている5作品は全て科学技術を駆使したトリック…

祈りの幕が下りる時

本書の主旨とはずれるものの、個人的に目がいったのは、長年、ヴェールに包まれていた加賀の母親の失踪の真相が遂に明らかになったことです。 加賀の父親は言葉足らずな男ではあったものの、DVを働いたり、家庭を全く顧みないような男ではなかった為、母親…