danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

影踏み

本書は横山さんの作品にしては物語の展開や構成が粗い印象を受けました。 しかし、ノビカベのように、無口で常に研ぎ澄まされ、哀愁を帯びたキャラクター設定は個人的にかなり好みでした。 このノビカベですが、冷酷無比なだけでなく、『使徒』では盗人仲間…

深追い

本書の「締め出し」で、主人公の三田村が過去を葬り去る儀式を遂行しようとするシーンに共感しました。 不良に脅かされた苦々しい屈辱の過去を持つ三田村にとって、この儀式を遂行することは、大変意義があることだと思います。 私自身、過去に苦い出来事が…

半落ち

各章いずれも力が籠っており、また、臨場感に溢れているため、最後まで目が離せませんでした。最終章の残り20頁を切っても、空白の2日間の真実が見えてこず、必死に考えましたが、全く予想だにしない結末でした。 本書で横山作品3作目(出口のない海、ク…

クライマーズ・ハイ

非常に読み応えがありました。文章に一切遊びがなく、全ての描写に鬼気迫るものが感じられ、まさに迫真の作品でした。 主人公である悠木の優柔不断さには、何度もじれったさを感じました。しかし、最後の最後に、「俺は新聞を作りたいんだ。新聞紙を作るのは…