danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2015-08-01から1ヶ月間の記事一覧

サクリファイス (新潮文庫)

本書は自転車ロードレースという日本ではあまり馴染がない競技を取り入れていますが、文章に無駄な描写がないためよく分かります。 また、石尾の死後、白石が死の真相を辿っていく経緯は実に読み応えがあります。 真相に辿りついたと思いきや、新たな疑問が…

残侠―天切り松 闇がたり〈第2巻〉 (集英社文庫)

「俺ァ男だ、俺ァ男だ」この一文を読んでから10年以上たちますが、今日この日まで、この一文を胸に刻んで生きてきたといっても過言ではありません。 それほどにこの言葉のインパクトは強烈なものでした。苦しい時、悲しい時、心が折れそうな時、打ち負けそ…

闇の花道―天切り松 闇がたり〈第1巻〉 (集英社文庫)

10年以上ぶりの再読です。 この一年半、池井戸潤、高野和明、横山秀夫、今野敏、宮部みゆきの作品を読んできましたが、ここに至って、無性に本書を再読したくなりました。 それは何故か。本書には、前述の作家さん達でも描き切ることができなかった『真の…

ソロモンの偽証: 第III部 法廷 下巻 (新潮文庫)

『法廷』に関しては、単行本の方にレビュー済みですので、ここでは、最後に収録されている「負の方程式」についてコメントしたいと思います。 『ペテロの葬列』において、杉村三郎が離婚という憂き目にあい、その時のレビューに腹を括った男の生き様が見てみ…

ソロモンの偽証 第III部 法廷

本『法廷』では、『事件』、『決意』には無かった醍醐味を味わうことができました。 それを味わえたのは、弁護人が被告人の無罪を弁護しているさなかにも関わらず、被告人が犯してきた数々の悪事を暴き、被告人に突きつけ、被告人を恨む人間なら誰でも告発状…