2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧
事件発生から収束までの時間が僅か10時間余りだった点を踏まえると、疾走感はそれほど感じられませんでした。しかし、物語自体は非常に読ませる作品であったと感じました。 作者は当時既に原発に対する危機的意識を持っていて、沈黙する群衆に対して敢然と…
東野氏の作品から共通して感じるのは、クライマックスに至る場面において、無駄な表現が無く端的であるということです。 また、一気にフェードアウトしていく様は実に絶妙です。本書においても、直子の別れの言葉は「ありがとう。さようなら。忘れないでね。…
本書には様々な人物達が登場します。一見すると、その人物達の接点は見当たりません。ところが、各章を追うごとに、それぞれの接点が見出され、最終的に全ての繋がりが丸光園とナミヤ雑貨店にあった点が開示される様は圧巻でした。 個人的にミュージシャンの…