danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2014-12-01から1ヶ月間の記事一覧

動機

本書で特に印象的だった作品は『逆転の夏』です。 完全犯罪を依頼する強請男は誰なのか?伏線として「この男を殺してください」のフレーズが一度、「あの男を殺してください!」のフレーズが二度出てきていましたが、強請男が殺された女子高生の父親だったと…

陰の季節

改めて横山さんの作品の凄さに感嘆しました。 それを特に感じさせたのが最終話の『鞄』です。 本作品の結末は、県警職員たった二人の個人的な問題の話でしかありません。いかにもスケールの小さな話です。それでも十分に楽しめ、満足してしまうのだから不思…

臨場

これまで私が読んだ横山さんの作品の中では、珍しく読後感が心地よく感じられた一冊でした。 組織に媚びず、気骨と男気溢れる倉石の存在がそのように感じさせたのかも知れません。 本作品で特によかった章は『贐』です。小松崎親子の過去はとても暗く、悲壮…

真相

本書は短編集であることから、さくさく読んで次の作品に移ろうと気楽な気持ちで読み始めましたが、その考えは大きな誤りでした。 「真相」、「18番ホール」など半端無い程の緊迫感、臨場感があり、読むスピードはいつになく速まり、頁を捲る手は止まらず、結…