danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

麒麟の翼 (講談社文庫)

加賀恭一郎シリーズである本書ものっけから惹きこまれました。 瀕死の状態でありながら、麒麟像までたどり着き息絶えだいた青柳、その青柳の所持品を持って事故死した容疑者と考えられる八島、被害者・容疑者ともに死人に口なしのため、先の展開が全く読めま…

新参者 (講談社文庫)

本書は短編集ですが、どの話も女性が絞殺された事件を根幹とし、そこに関わる人々の人情と事件とが絶妙に絡み合う構成となっています。 最終章において、犯人の動機が息子の金銭問題に端を発したものであろうと推測された時は、何か締まりのない幕引きに感じ…

赤い指 (講談社文庫)

幼い子を持つ親や、閉じこもりの子を持つ親、或いは、認知症の家族を抱える者などにとっては、本書は決して他人事として読むことができない作品であると感じました。 本事件において、昭夫を真人間として踏みとどまらせた加賀の行為は温かみに満ちていました…