ルパンの消息
本書は『64』を読了後すぐに読み始めた為、当初は爽快感だけを感じていましたが、心を闇に閉ざした人々の気持ちが開示されていく様を読むにつれ、心理の奥底までもが表現された凄い作品だと感じました。
本書のクライマックスは内海の逮捕ではなく、幸子の心情が吐露されるシーンでした。
個人的に相馬の妹がどうなってしまったのかずっと気になっていましたので、まさか、婦人警官として喜多の供述を調書し、今回の事件解決のキーマンになっていたのには驚きました。
喜多への仕返しとも取れる場面の後に、本音が語られるシーンには涙が溢れました。
読了日:2015年2月7日 著者:横山秀夫