加賀恭一郎シリーズの初読です。
東野氏の作品はこれまで「秘密」や「白夜行」、「幻夜」等の話題作を中心に読んでいたため、デビュー後間もない本作品は、とにかく読み辛く感じました。
しかしながら、様々な人物達の発言や行動が事件の解明に明確に繋がっていく様は、現在の氏が得意とする伏線回収スタイルの源になっていると感じた次第です。
また、一番知りたかった本事件の根本的原因について、「俺自身も気づいていなかった。俺は決して彼女を許してなどいなかったということに。」と表した一文も、氏らしく端的さを感じさせるものでした。
読了日:2016年7月11日 著者:東野圭吾