私が彼を殺した (講談社文庫)
加賀恭一郎シリーズは、毎回、物語のパターンや趣向に工夫が成されており、このシリーズに対する作者の意気込みやチャレンジ精神がよく伝わってきます。
今回は、三人の容疑者による一人称一視点により物語が進行していきます。できる限り隈なく読み進めてみたものの、犯人を特定することはできず、真相に迫るには至りませんでした。
加賀及び容疑者三人が一堂に介し、容疑者達の二重・三重の殺害トリックが明かされるシーンは巧妙さを感じさせます。なお、犯人は神林或いは、まさかの美和子であった方がよりインパクトを与えられたのではと思います。
読了日:2016年8月21日 著者:東野圭吾