danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

火車 (新潮文庫)

喬子の生き様は強烈です。事は父親の借金苦に端を発し、恐怖の取り立てに遭い、夜逃げによる一家離散。その後、両親は誘拐され、その心労が祟って母親は早くに亡くなり、さらに父親は廃人同様となります。

それでも取り立ては終わらず、喬子にこの状況を逃れる手立てはありません。そんな喬子だからこそ、誰よりも平穏を得たかっただろうし、誰よりも幸せを得たかったであろうと思います。

これまで誰にも吐露できなかった話、ひとり背負ってきた話、逃げ惑わってきた月日、隠れ暮らしてきた月日、想像を絶する苦悩を私も心して聞きたいと思いました。

火車 (新潮文庫)

火車 (新潮文庫)

 

読了日:2017年7月7日 著者:宮部みゆき 

 

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