楽園 下(文春文庫)
下巻に入る前、茜を殺害したのは両親では無いのではと睨んでいました。話のオチとして、最後に大どんでん返しによって真犯人が明らかになり、土井崎一家は報われ、新たな歩みが始まるという筋書きを想像していました。
しかし、全くの読み違いでした。考えてみれば、宮部さんがそんな単純な筋書きを用意するわけがありません。
茜を殺害した母親の回想シーンは、殺害も止む無しと納得せざるを得ないものでした。多くが報われない中、滋子と敏子が前を向いて歩み始めたのは救いであり、同時に等の魂も救われたものと確信しています。
読了日:2018年12月25日 著者:宮部みゆき