danyromero’s diary

小説のレビューおよび、時々お酒のウンチクもアップしています。

2014-01-01から1年間の記事一覧

不祥事

自分が読んだ池井戸作品で初の短編集でした。個人的には、短編集より長編ものの作品の方が面白いと感じました。本作の『激戦区』の落ちについて、「私にも、お手伝いできると思います。あなたの抵抗に」との落ちは、何かすっきりしないという思いと物足りな…

架空通貨

企業城下町を舞台にしたミステリー作品ですが非常に面白かったです。 町全体が田神札に支配され、人々が翻弄されるという設定には少々無理があるのかもしれませんが、田神札という架空の通貨を題材としたアイデアは斬新であり、第一章の霧において、辛島が乗…

ルーズヴェルト・ゲーム

本作も面白い作品でした。少し残念だったのは、中盤にルーズヴェルト大統領が野球が一番面白いと言ったのは8対7との一言があり、最終章がルーズヴェルト・ゲームであれば、自ずと展開と結果が見えてしまった点です。エースの沖原が大量失点することは考え難…

ロスジェネの逆襲

森山と同様、まさにロスジェネ世代初期の私は就活当時の事を思い出しました。漫然と大手企業に入りたい等の感覚が無かった私は、自分の実力を評価してもらえる職場探しを行い、零細企業ですが、ぴったりの会社に就職することができました。その職場には私が…

オレたち花のバブル組

半沢の同期の近藤が統合失調症を克服し、最前線に戻ってきました。今作では精神の病を患った近藤が復活できるのかがずっと気になっていました。ただひたすら辛いだけの環境、耐えるだけの関係にピリオドを打てたのは、近藤が元来、持っている闘争心であった…

オレたちバブル入行組

「オレは基本的に性善説だ。相手が善意であり、好意を見せるのであれば、誠心誠意それにこたえる。だが、やられたらやり返す。泣き寝入りはしない。」と半沢が語った言葉がありますが、この言葉はまさに私自身の性格や考え方に酷似した言葉であり衝撃を受け…

七つの会議

最後の八角が江木の嘘を暴くシーン(八角が作った偽物メール)は少々強引な感じがしましたが、全体を通して面白く、今回も引き込まれて、一気に読み終えてしまいました。池井戸作品3作目ですが、他の作品など、もっと読んでみたいと思いました。 七つの会議…

空飛ぶタイヤ

赤松社長、熱い男であり、男気を感じますね。しかし、これでもかとばかりに落としに掛かる大企業の策略、銀行の貸し渋り、風評被害など、こんな状況でも正義を貫き通せるのかと、本気で心配してしまう自分がおり、池井戸作品の引き込みの凄さに改めて驚きま…

下町ロケット

初めて読んだ池井戸潤さんの作品でしたが、ただ一言、面白い!! 初めから最後まで全て面白いと感じた小説は初めてでした。中小企業のもどかしさ、しかし、大企業に負けない確かな技術、不屈の精神力。そして、仕事に対するプライドは、何か自分自身が忘れか…