近藤史恵さんはつくづく不思議な作家さんです。
女性でありながら、男性でなければ決して分からないような気持ちや心境まで実によく表現されています。
レースにかける意気込みや思いだったり、レース中での鬼気迫る心境や勝負どころの心理描写などに見るべきもの、頷けるものがあります。
本作品はこれまでの『サクリファイス』シリーズとは異なる大学自転車部が新たな舞台となっていますが、学生達が主人公であるため、粗削り感や破天荒さが描かれており、それが魅力的に感じられ、『サクリファイス』シリーズに勝るとも劣らない面白さがありました。
読了日:2015年9月18日 著者:近藤史恵