本書はスピンオフ作品ですが中々よかったです。
『スピードの果て』で、伊庭がレースの中で心の苦しみを克服し、最後、白石に見せた笑顔のシーンは心温まる思いでした。
石尾について、『サクリファイス』では心情等が吐露される事なく亡くなりましたが、本書の『プロトンの中の孤独』や『レミング』において、フォア・ザ・チームの精神があることや、曲がった事が嫌いな一途な男であることがよく分かりました。
『トウラーダ』について、二度目のドーピング違反となったルイスが白石に吐露した「本当にやってないんだ…一度目は…」は切なかったです。
読了日:2015年9月10日 著者:近藤史恵