本書でも力先生の問いかけが心に響きました。
「臆病なこと自体は悪いことではない。そのお蔭で今までそれほど傷つかずにすんだだろう」と。臆病から良いものが生まれることはありません。己を守り、己自身をより良い方向へ導いていくのは勇気でしかありません。
勇気を持って前に踏み出すには怖さを伴います。
私自身もそのために、深く傷ついたり、痛い目に合ったりもしてきました。しかし、己を高め、己に誇りを持ち続けることができたのは、勇気を奮い立たせて前に踏み出したからこそです。
茨姫の悩みを打開したのはこの勇気だったのだと思います。
読了日:2015年10月25日 著者:近藤史恵