第六章の「決着」において、本事件の殺人犯が瓜生派の最後の生き残りである松村であったことが判明したときは、何かインパクトに欠け、物足りなさを感じずにはいられませんでした。
ところが、本書には、とびっきりのサプライズが用意されていました。
第七章の「終章」において、晃彦がサナエの息子であり、さらに、晃彦と勇作とは双子だったという事実に驚嘆しました。お互い気になる存在であることが何度となく出てきた裏には、こんな仕掛けが用意されていたのかと唸った次第です。
作者の本書の落とし込みに対する深い拘りが感じられる作品でした。
読了日:2016年3月4日 著者:東野圭吾