誰か―Somebody
宮部さんの作品を初めて読みました。
冒頭の聡美の相談話の内容から、梶田氏の死の真相には、ただならなぬ様相が呈していると感じられ、大いに惹きつけられました。
しかしながら、梶田氏の死の真相が明らかになっていく様は推測の範囲内であり、冒頭に抱いた期待感に見合う結末だったとは言い難いものでした。
ただ、本作品を読んでみて、描写の丁寧さだったり、比喩が独特で興味深かったりと惹かれた部分も多々ありました。
本作品は『名もなき毒』と二部作のようですね。物足りなかった部分については、『名もなき毒』に期待してみたいと思います。
読了日:2015年5月9日 著者:宮部みゆき