キリコシリーズ2作目の本書は、1作目よりも表現力の巧みさが向上し、また、考えさせる要素が増えており、より興味を惹かれる作品となっていました。
しかしながら、近藤史恵さんの作品といえば、超良作である『サクリファイス』があるため、どうしても出来具合を比較してしまいます。
『サクリファイス』と比べると、本書には、新たな疑問の投げかけが無く、表現力の巧みさの点で劣っていると感じてしまいます。
ただし、次回作は『サクリファイス』と同時期に書かれた作品であり、本書よりもスケールアップが期待できるため、非常に楽しみです。
読了日:2016年1月4日 著者:近藤史恵