白夜行 (集英社文庫)
本書は冒頭の殺人事件直後から、様々な人物が登場し、年月もどんどん経過し、話の内容もあらゆる方向へと展開します。
中盤過ぎに探偵の今枝が登場すると、俄然、スリリングさが増します。そして、一見すると物語の重要人物と思われる人達が単なる伏線要員でしかなく、終盤に進むに従い、バッサバッサと切り捨てられいく様は圧巻です。
物語中、殺人事件に関わっていたはずの桐原と雪穂が交わる描写は最後までありません。そこが、オブラートに包まれ、19年間、お互いをどんな気持ちで見つめ合い、想いを馳せていたのか、想像を掻き立てられます。
読了日:2016年6月9日 著者:東野圭吾